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just between you and me

〜 これからの2人 〜



とある晴れた日の朝―――

控え室で待たされること、約1時間。
この間にも、関係各所への連絡やら、本日のスケジュールの確認やら、新一の周りには何かしら絶えず人はいたのだけれど。
それらの人々も、まるで示し合わせたかのように、一斉に引いてしまって。
ポツン、と取り残されたまま、更に20分。

ようやく控えめなノックが聞こえたきて、「さて、お次は何の打ち合わせだ?」と怪訝な表情になりかけた途端。
「お待たせ」と開いたドアから現れたのは、、、

目の前に、ふわりと舞い降りた、純白の天使。

その神々しいまでの美しさに、文字通り息を呑んで。
瞬きすら、忘れてしまっていた。

ドアを開けて控え室に入って来たのは、新一と共に本日の主役を務める人物。
真っ白い衣装に身を包んだ、新一の一番大切な人。

「ちょっと、、、黙ってないで、何か言ってよ?」

あまりにも高鳴る鼓動に動きが取れないまま、恥ずかしそうにやや俯いた天使の呟きが、新一の耳元に届く。

「ねぇ、聞いてるの?」

何を言っても、ぴくりとも動かない新一に、蘭は不安さえ感じ始める。
新一の目線はしっかりと蘭のほうを向いているのに、蘭の声だってしっかり聞こえるくらいの距離なのに、新一からの反応が何も返ってこない。
ドレスを少したぐり寄せ、慣れないハイヒールでそっと前に踏み出そうとした途端、脇によけてあったパイプイスがドレスの裾にかすり、思わず足元がよろめいてしまった。
蘭の姿が急に大きく傾きかけたところで、ようやく行動の自由を復旧させた新一が、うやうやしく蘭を受け止める。

「オレ、今この瞬間、ちょっとだけ生きた心地してなかったよ。」
「新一・・・?」

いつも危険と隣り合わせの新一が、また蘭の知らないところで無茶をしているのではないか?
蘭の中には、そんな疑惑が新一の言葉から湧いてくる。
明らかに困惑と不安を混ぜ込んだ瞳で黙り込んでしまった蘭を、しっかりと自分の両腕で捕まえて。
新一は蘭の中に芽生え始めた誤解を払拭するべく、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「そういう変な意味じゃなくてさ。なんつーか、すっかり見とれちまって、、、おめぇが、その、まるで天使みたいに奇麗で、天国にいるような気がしてたんだ。」

ゆっくりと噛み締めるように新一の言葉を聞いていた蘭は、今度は歓喜の瞳で新一を見上げた。

「もう、ビックリさせないでよ!でも、、、有難う。嬉しいわ。」

そういって笑う蘭の笑顔は、また格別に奇麗で。
新一は更に強く蘭を抱きしめた。

「あーあ、何か、他の奴らに蘭の花嫁姿を見せるのが、惜しくなってきちまった。なぁ、今から結婚式キャンセルして、2人きりでどこか行かねぇか?」
「今更、何言ってるのよ?」
「やっぱ、ダメか。」
「当たり前じゃない!それに、、、わたし達が、今日のこの日を迎えられたのは、周りのみんなが支えてくれたからでしょう?今日は、それを感謝する日でもあるんだからね?」
「わかってるって。」
「ほんとに?」

蘭が新一に疑わしい視線を向けたのは、ほんの一瞬。
どちらからともなく微笑んで、言葉にならない気持ちを受け取り合う。

今まで、本当にいろんなことがあったけれど。
これからも、2人で手を取り合って歩いていこう。

一緒に歩み、支えてくれた、大事な仲間達とともに。
この幸せを、分け合おう。



「そろそろ時間だな」と、名残惜しそうに新一が蘭を解放する。
少し乱れてしまったドレスのドレープを整え、蘭の手の甲に、手袋の上からキスを贈る。

「生涯懸けて、世界一、幸せな花嫁にしてやるよ。」
「うん。楽しみにしてるね!」



開かれたドアに、2人で踏み出せば。
目の前にあるのは、温かい祝福の気持ちと言葉。


ほんとうに、いろいろある人生だけれど。
今日くらいは、新一と蘭と、2人を取り巻く素敵な人達の為に。


Happy Wedding!


いつまでも、どうかお幸せに。


――― END ―――




そんなわけで、公式発表の日から数時間遅れましたが、お祝いの気持ちを込めて。
青山先生&みなみさん、ご結婚おめでとうございますv
お互いにとって、これ以上のベストパートナーは、いないんじゃないでしょうか?
・・・などと思ってしまうくらいに、お似合いだと思います。

お2人の末長いお幸せを、WEBの片隅からではありますが、お祈りしております。


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