Open my arms
   〜 あなたからの贈り物 〜



「いってらっしゃい、気をつけてね。」
お決まりのセリフのようになってしまった言葉。

でも、私にはこの言葉しか言えないから・・・

事件に向かう新一をその言葉で送り出し、笑顔で迎えてあげることしかできないから。

・・・新一

私は新一に何をしてあげられるんだろう?
1度、新一に「私が傍にいてもいいの?」って聞いたことがあったね。
でも、新一は「当たり前だろ、っていうか、傍にいてくれないと困る」って本当に困った顔をして言ってくれた。

本当に本当に涙が出るほど嬉しかったの。

新一もそんな風に思ってくれていたんだと知って。
私だけがそう思っていたんではないと知って。

私はね、新一と出会えることができて、隣にいることができて幸せだよ。
あなたが教えてくれたんだよ。

出会えたことの嬉しさを
隣にいられることの喜びを
愛し、愛されることの幸せを

何よりも・・・日常の大切さを

新一がコナン君の姿でいた時・・・私は何も知らなかった。
新一はずっとずっと傍にいてくれた。
その事実を知った時、私は無力感でいっぱいだった。

私ではあなたの力になってあげられないんだと。

あなたの優しさを素直に受け入れられず、逆にその優しさを恨んでしまうことさえあった。
愛することの辛さもあなたが教えてくれた。
受け入れることの難しさも。

でもね、私にはそんな時間も必要だったんだなって思ったの。

こうやって事件に行ってしまう新一を・・・・・・送り出すことなんてできなかった かもしれないから。
新一が“事件に行っても必ず戻ってきてくれる”と言ったから待つことができるんだと思うから。

だから新一が私に教えてくれたものを、私も教えてあげたいの。
今は送り出してあげることしか、迎えてあげることしかできないけれど・・・
それでも、それが少しでも新一の力になればいいと思う。

新一が笑顔でいるとき
            嬉しいことがあったとき
新一が苦しんでいるとき
            辛いことがあったとき

いつでも傍にいて、あなたを包むような、支えられる存在になれたらいい。

今はまだそんな存在には・・・なれていないのかもしれない。
そのためにしなければいけないことが私にはいっぱいあると思う。

だから今は新一を笑顔で送り出してあげよう。
・・・寂しい気持ちはあるけれど。

「いってらっしゃい、気をつけてね」と。

そして帰ってきた新一を笑顔で迎えてあげよう。
迎えてあげられる嬉しさと幸せな気持ちと一緒に。

「お帰りなさい、お疲れ様」と。

―――――― そしてまた2人の時間が動きだすから――――――

― END ―




我が家のような拙いサイトに、度々温かい感想などを寄せてくださっているニッシーさんより、
こんなに素敵なお話を含んだメールを頂戴しました。
なんと、海外転勤前の私へのエールも含めてくださった、とのこと。
じーん、、、(←感動の音)

こんなに素敵なお話を、私の胸の中だけにしまっておくのは勿体無い!
ということで、サイトアップの許可をいそいそといただきまして、ようやくお披露目
することが出来ました。(遅くなってごめんなさい/滝汗)
タイトルがなかったので、僭越ながら付けさせていただきました。
ニッシーさん、どうも有難うございましたv
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